【再録・タイ人あるある恐怖体験】⑭ 霊感の強いよっちゃん ~日タイハーフよっちゃんシリーズ②~

♀ 22歳 霊感の強いよっちゃん

 私は小さいころから幽霊をよく見る。BTSプロムポン駅近くのマンションに住んでいたときの話。当たり前かも知れないけど、日本人の多く住んでいるバンコクには、日本人の霊がいる。その部屋では以前から、視界の端に霊を見たり気配を感じたりしていた。

 ある日、廊下の方に気配を感じてふっと見ると、そこには女が立っていた。ぱっと見た感じは人間っぽいけど、肌が異常に白く、雨が降ってないのに全身ずぶ濡れだった。何よりも、床が全く濡れていないから、人間でないことが分かる。その女は、足が隠れるほど長い虹色のロングワンピースを着ていた。腕には黄色と蛍光ピンクのゴム製のブレスレットを付けていて、ネイルしていた。髪は茶色に染めたセミロング。顔は濡れた髪が張り付いて見えない。ファッションや雰囲気からして、20代の日本人旅行者だ。

 その日本人の霊は、その日から私につきまとうようなった。私がトイレに入っているときにドアをノックして来たり、シャワーを浴びているときに背中を突っ付いてきたり、寝ているときの頭をなでてきたり、目の前に堂々と立っていたりと、とにかく存在をアピールしてくる。ベッドで寝ているとギシッっと音が鳴り、誰もいないのにベッドが凹んだ。家族かなと思って起きてみると、女がこっちに背を向けて座っていた。びっくりして「えっ」と声を出すと、少しだけ振り返ってスッと姿を消したこともあった。最初はびっくりしていたけど、段々と慣れてきてその霊を見ても「あ、またか」と思うだけになっていた。

 私ほどではないが、少しだけ霊感を持つ妹がいる。あるとき、妹がびっくりした顔で廊下の方を見たまま、じっと固まっていた。どうやら妹もその霊を見たらしい。妹は霊を怖がってずっと私にくっ付いてくる。私は妹がうっとうしくなり、母に霊のことを話した。母は私の話を信じるところがバカにしてきたので、
(このババアもあの霊を見ればいいんだ)
と心の底から思った。そうしたら母も2、3日後にその霊を見たらしい。廊下の方をちらちら見て、
「あれ、あんたの友達? いつ連れてきたの?」
と私に聞いてきた。
「友達なんて来てないよ」
と答えると、母はキョトンとしていた。次の日、母はお寺に行った。そして引っ越しが決まった。

 霊感は時期によって強くなったり弱くなったりする。その頃は比較的、霊感が強い時期だった。この日本人の霊を見たことで霊感がさらに増していった。

再録:過去に掲載して人気が高かったコラムを再アップしています。

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