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〈タイ業界事情〉AI機能とOCR機能との組み合わせによるシステムの自動化について BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
- 2024/7/2
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難波 孝次 氏 Managing Director
AI機能とOCR機能との組み合わせによるシステムの自動化について
今回は今までと少々趣を変えまして、一つの業務を掘り下げるのではなく技術手法の方に焦点を当て具体的にはAIとOCRとを組み合わせる様々な手法についてを説明させていただこうと考えております。この内容は実は今までもERPシステムへのデータ取り込みを省力化する方法についてという形で何度か断片的には話をさせていただいているのですが、先日広告バナーを新しくしたことに伴いましてこのAIとOCRの組合せというのは一体何者だというお問い合わせを何度かいただきまして、そこで今回はこの内容をピックアップして様々な使用方法についてを考えてみたいと思います。
1、受注データの取り込み
得意先さんから送られてくる注文データについては、昨今では得意先さん自身がEDIシステムを持たれており同システムからデータをダウンロードする形や、エクセルやテキストファイル等の形でメールにて送付される形が主流になっておりますことから、あまりここの処理にOCR機能を使用するケースはないかも知れませんが、それでも中にはFAXや紙で注文書が送られてくることもあり、またメールで送られてきても添付ファイルがPDFファイルだった場合にはそのままシステムにはアップロード出来ませんので、その際にはOCR機能を活用する形となります。PDFファイルの場合は画面に表示したものをカーソルで選択してコピーペーストをおこなうことも可能ですが、紙媒体の場合は画像取り込み以外に方法は無く、スマートフォンやタブレットPCのカメラにて撮影をおこないシステムにアップロードする形となります。アップロードされた画像データはOCR機能によりテキストデータに変換され同内容はAI機能により今までのデータパターンを元に何れの項目に合致するのかが特定されて受注データとして取り込まれます。
2、仕入データの取り込み
仕入データについては、通常仕入先さんから送られてくるINVOICEを元に作成される訳ですが、こちらもEDIデータが送られてくるケースも結構ありますし、そもそも関連する注文データがシステム内に存在しておりその注文データを選択することで自動的に仕入データが作成されるという機能は通常の業務管理システムであれば標準で備えられているかと思います。この為仕入データについては画像撮影してアップロードをおこなう手間を考えますと、それほどOCR機能を活用するメリットは無いのかも知れませんが、それでもシステム画面から注文データを選択する方法では入力ミスが発生する可能性もあり、画像取り込みの方が安心できるという考え方もあるかと思います。処理手順としましては前項と同様にINVOICEを撮影してシステムにアップロードすることにより仕入伝票データが自動作成される形となります。
3、経費データの取り込み
これはどういう機能かと言いますと、前項のような販売に関連する商品の購買ではなく毎月の電気代や通信費用、オフィスのレンタル料金や出張時のガソリン代や宿泊費といった経費関連に対するデータとなりまして、通常そういったデータには注文書が存在しませんので支払いを済ませた後の領収書を元にデータ入力が行われる形となります。そこでこの領収書を画像撮影することによりシステムにアップロードして経費伝票を自動作成する機能がこちらになります。また出張時の経費関係については出張者が清算申請をおこなう際に各々画像撮影をして添付する形とすれば、経理担当者の作業がかなり軽減される形にもなりまして、この処理は前述の販売購買関連に比べますとOCR機能を活用するメリットがかなりあるのではないでしょうか。
4、入庫データの取り込み
この在庫の入庫処理については、第2項の仕入データと連動して入庫データが自動作成されるシステムも多いのですが、その形だと実際に物が入ってから仕入処理がおこなわれるまでに若干のタイムラグがあり、在庫管理の即時性が失われることにより販売入力や生産実績入力等で支障が発生するケースもあります。そこで仕入データが会計管理上のデータであるのに対しこの入庫データは在庫管理上のデータということでデータの入力タイミングを切り離して管理することはよくあります。具体的な手法としましては実際に入荷場所において商品(若しくは材料)の入荷処理をおこなう際には現物のチェックと納品資料とを照らし合わせておこなう形になるかと思いますが、この現場での処理をそのまま在庫管理システムの入庫データとして取り込んでやろうということです。ただこれが出庫処理であれば自社のシステムから出力された現品ラベルと納品資料上に印刷されたQRコードをスキャンすることにより自動的に出庫処理がおこなわれる機能を作成することは可能です。ところが入庫ということですと納品資料も現品ラベルも仕入先さんから送られたものですのでそこに自社用のQRコードを望むことは中々難しいかと思いまして、そこでここでもOCR機能を活用しまして、この納品資料と現品ラベルとを同様に画像撮影してシステムにアップロードすることにより、品目の入庫データを自動作成するという形となります。
5、図面データの取り込み
前項までの内容は以前にも何度か話をさせていただいておりますが、この項については初めて説明させていただく内容となりまして、この業務はその名の通り図面管理システムにおいて図面データをアップロードする処理となります。それで図面管理システムと言いますのは、昨今のペーパーレス化に伴いましてご依頼をいただくことが多い機能でございまして、要は今まで紙媒体として保管されていた製品図面や製作上の仕様書等を電子データに変換した形でERPシステムと関連付けて管理をおこなうというものとなります。ただそれだけであれば単純に紙の図面を画像やPDFファイル等に変換してアップロードするだけで事足り、果たしてここにOCR機能を使用する必要があるのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに品目コードと画像ファイルとを関連付けるだけの処理であれば、わざわざOCR機能を使用するまでもないのですが、その先を考えた場合例えば製品図面に書き込まれている文言や製作仕様書の仕様詳細、例えば使用部品のサイズ等で図面データの検索をおこないたいケースはありますでしょうし、それを実現するとなると画像データをテキスト化する必要があり、そこにOCR機能の使い道が出てきます。また、そういった検索作業をおこなう際に様々な形での曖昧検索を可能にするためにAI機能も必要になってくるという事になります。
ということで今回はOCR機能とAI機能を組みわせた様々な活用方法についてを説明させていただきましたが、次回も同じような形でAI機能と他の便利機能とを組み合わせた最新の活用法についてを説明させていただければと考えております。
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