【作業分析】ストップウォッチから動画分析へ、表示時間10%超向上を実現「動画分析ソフトOTRS」

Aiphone Communication (Thailand) Co., Ltd.
宮原 久志 氏 取締役社長
佐藤 康喜 氏 Production & PCB Assembly Senior Manager

――貴社事業内容をお聞かせください

  本社「アイホン」(所在地:愛知県名古屋市)は1948年設立、セキュリティ事業およびケア事業として、戸建住宅向け、集合住宅向け、医療・福祉施設向け、オフィス・工場向けの各種システムの開発を手掛けています。タイ現法の弊社はインターホン製造拠点として2000年に操業開始。取り扱い機種はざっと350を数え、製品の6割を日本に、4割を欧米諸国に輸出しています。

――作業分析でこれまで苦労されていた点は?

  改善部門スタッフが現場に赴いて作業スタッフの手元を見据えながらストップウォッチで工程を計時、それを紙に書き込んでいくというアナログ方法が限界に達していました。多くのメーカーさんが同様の悩みを抱えていると察しますが、弊社では自動化を進めているとはいえ、製品的に人の手に頼る工程が多めであり、作業分析にも手間がかかっていました。「表示時間」の達成率は平均して70%。これを1%引き上げることさえ難儀といった状況でした。

――動画を撮影して分析するデジタル方法に切り替えたということですね?

  動画分析ソフト「OTRS」を2019年に導入しました。現場の適当な場所に機材を設置して製造ラインを撮影し、それを専用ソフトで閲覧・分析していきます。撮影された動画を観てまず感じたのは、「可視化」の向上です。ストップウォッチと紙を駆使して現場に臨む改善部門スタッフも当然「目で見ている」わけですが、正確さにおいて機械と比べたら、何とも頼りないわけです。動画なら的確なタイミングで計時してくれますし、見落としがあると感じたときは巻き戻しが可能です。一方、人間の目では、何かに気づくときもあれば気づかないときもある、見落としたかも知れない動作を過去に遡って見返すこともできません。

――「分析される側」のスタッフさんの心情などは?

  改善部門スタッフが横に立ってじっと見つめてきたりすれば、作業スタッフはそれが気になってしまうのは当然でしょう。いつもどおりの作業ができなくなってしまうことは多々あります。そこでまた、作業分析の正確性が低くなってしまうわけです。一方、撮影機材が与えるプレッシャーというのは、生身の人間と比較すればかなり少ないのでしょう。作業スタッフも気にならなければ、分析中であっても通常の作業をこなせることができます。

――動画分析ソフトで「表示時間」の達成率は向上しましたか?

  取り扱い全350機種にそれぞれ標準時間が設定されていますので、正確な数字を提示するのが困難ですが、先ほどの70%という平均値に当てはめるなら、ソフトの導入で80%まで向上しました。現在はソフトだけに頼らずさまざまな努力によってさらに引き上げ、83%ほどを維持しています。周知の事実ではありますが、達成率を90%、100%に引き上げることが正解ではありません。達成できてしまう目標など、目標ではないかも知れないからです。そもそも作業分析というのは、より良い表示時間の設定だけを目的にした業務ではありません。

――幅広い分析が実現したということですね?

  動画撮影による作業分析で、それまでの多くの不正確さが是正され、見えていなかった多くの点が可視化されたと評価しています。撮影された動画を見返すことによって、「手待ちが発生している、ラインバランスが調整されていない、正確な工程設計が実現できてない」と即座に分析できましたし、多品種少量といった現状や新機種の導入にも迅速に対応できるようになりました。

――作業分析をとおして見据える企業としての方向性は?

  作業に携わるスタッフの評価という目的もありますし、将来的な多能工化への期待もかかっています。そして一企業としての、作業能率の向上による「省人化」という大きな目標にもつながってくると思います。

――ありがとうございました。

Aiphone Communication (Thailand) Co., Ltd.
住所:700/455 M.7 Amata City Chonburi Industrial Estate, Bangna-Trad Road, Km. 57, Donhuaroh Sub-District, Muang Chonburi District, Chonburi 20000
電話:038-717-217~20, 038-198-501~4 ファクス:038-717-221, 038-198-505

「動画分析ソフトOTRS」説明記事

【製品紹介】高技能者のカン・コツを可視化「精密・正確な工程&品質管理」が可能に!! by Move

分析画面サンプル

 

 

 

 

 

 

 

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MOVE (THAILAND) CO., LTD.
電話:0-2381-5771~3, 092-735-3283(秋山)
Eメール:d-akiyama@move-net.jp(秋山)
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(タイ人営業:Aumm 095-497-6539, Big 080-036-6459)
ウェブサイト:https://www.movethailand.net/

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