〈タイ業界事情〉ERPシステムにおけるAI機能を使用した未来予測について(5000人の合格者をいかに効率よく発表するか) BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.

難波 孝次 氏 Managing Director

  今回は前回のお話の中で宿題となっておりました、AI処理の問題点について説明させていただきたく考えておりましたが、その前に少し回り道をさせてもらいます。

 それは表題にありますように、5000人の合格者をどのように発表すれば、より効率が良いのかということで、これだけだと何のことやら分かり難いかと思いますが、もう少々具体的に説明いたしますと、ここに5000人の入学枠のある学校があったとしまして、その学校に今回1万人の受験者が訪れました。それでつつがなく入学試験や面接等のスケジュールが終了しまして、後は結果発表を残すのみとなりまして、ここからがいよいよ本題なのですが、では合格者となった5000人の受験番号をどのように発表すれば、もっとも効率が良いのかというのがこの設問となります。

5000人の合格者を発表する方法について

 通常であれば、学校内の掲示板や昨今であればホームページにて5000人分の合格者の受験番号を貼り出すことで事足りますし、そもそも合格通知を郵送してしまえばそれで済むのではないのかと言われればそれまでなのですが、これは後にAI機能について説明させていただくにあたって、重要な因子に関わる内容となりますので、あくまでも頭の体操的なものとしてお考えいただけますでしょうか。

 先ずは第一の設問としまして、5000人分の受験番号を一つのQRコード内に収めることが可能かどうかについて考えてみたいと思います。そのためにはQRコードに格納できるデータサイズをあらかじめ確認しておく必要があるのですが、QRコードと一口に言いましてもマイクロQR等の何種類かのタイプがございまして、今回は大容量タイプ(タイプ2)を対象としますと、格納できる最大データサイズとしましては、英数字で4,296文字、数字のみですと7,089文字、バイナリ形式ですと2,953バイトまでが可能となります。

 5000人分の受験番号情報ということになりますと、5000×受験番号の桁数ということになりまして、この桁数は1万人の受験者がいるのであれば単純に考えると1桁から5桁まで必要になるのですが、ただこの桁数が可変ということですと、個々の受験番号情報の間に項目区切りの仕切り文字が必要となりますことから、データサイズは更に膨らんでしまいます。そこで受験番号の桁数を固定で4桁として(0000から9999までで1万人分とする)、5000人分の受験番号を区切りなく羅列する形が、一見もっとも効率がよい方法なのではないかと思えますが、それでも文字数としては20,000文字となってしまい、1つのQRコード内に全ての情報を格納することは不可という結論となってしまいます。

 そこで考え方を少し変えてみまして、格納データの位置に意味を持たせる形を採ってみてはどうでしょうか。具体的には1文字目には受験番号1番の合否情報、2文字目には受験番号2番の合否情報という形にしてみれば、かなりデータサイズは削減されます。ただこの方法の問題点として、合格者の情報のみでなく不合格者の情報も必要となりますので、結果1万人分で10,000文字ということで、あと一歩というところまで来ましたが、まだ一つのQRコードに収めるには情報量が多すぎます。

5000人の合格者情報を一つのQRコードで発表する方法

 ここからは、コンピューターの専門領域になりまして、分かり難くなって申し訳ございませんが、上記の10,000文字を更に圧縮する方法が実はございまして、それは合否情報を0か1のビット情報まで圧縮してしまうという方法となります。一般にバイナリデータと呼ばれる形式でございまして、この方法ですと1バイトの中に8人の合否情報を取り込むことが(1バイト=8ビット)可能となりまして、10,000ビットイコール1,250バイトということで、これでようやく一つのQRコードに全情報を収めることが可能となりました。

 上記のように全情報を一つのQRコードの中に収めることについては成功しましたが、ではそのQRコードからデータを取り出して、実際に自分の受験番号が合格していたのかどうかを確認するには、受験者側にも専用のアプリが必要となりまして、当然のことながらPCやスマートフォンといった電子機器を介する必要があります。それであればわざわざそんな面倒なことをしなくとも、ホームページに接続して検索機能にて受験番号を探し当てれば良い訳で、ただQRコードですとオフラインの状態でも作業可能という点はあるのですが、昨今であればそれほど大きなメリットとも言えないでしょう。

 そこで次の設問としましては、PCやらスマートフォンといった電子機器を使用しなくとも、もっと簡単にしかも短時間で受験者が合否情報を確認出来る術が無いものかどうかを考えてみたいと思います。電子機器の使用が不可ということになりますと、合格発表の媒体としては新聞やファックス若しくはレター等の紙媒体となりまして、単純に考えますと5000人分の合格者の番号をそのまま印刷する形になりますでしょうか。その状態でも基本的に番号は順に並んでおりますので、上から順番に探していけば、見つけることは可能ではあるとは思いますが、ただ当然ながら合格者のみの番号ですので途中に欠落している番号が半分ありまして、何千という番号の中から自分の番号があるのかどうかを探し当てるのは、思いの外面倒な作業となってしまいます。

 では、どのような手法を採用すればより効率よく確認作業がおこなえるのかということなのですが、この続きについてはまた次回ということにさせていただけますでしょうか。

BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
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Viphavadi-Rangsit Road, Chomphol, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:0-2618-8310-1 ファクス:0-2618-8312 Eメール:toki@ksc.th.com
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