【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、不敬罪容疑でこう留されていた15歳の少女が18日、50日ぶりに保釈された。衛生状態が悪い場所で長期間こう留されたためか、少女は背中一面に湿疹があった。
少女は昨年10月にバンコク都庁前で行われた政治集会で王室を中傷したとして、3月28日に逮捕された。
不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じるもので、違反した場合、1件につき最長15年の禁錮刑が科される。2014年の軍事クーデター以降、政権を掌握した王党派政権が不敬罪で民主派を訴追するケースが急増。タイの人権派弁護士団体によると、今年3月時点で、少なくとも237人が不敬罪で訴追されているという。
今月14日に行われた議会下院(定数500)総選挙では、不敬罪の改正・廃止を主要政党で唯一掲げた革新派のガウクライ党(ムーブフォワード党)が152議席を獲得して第1党となった。ただ、王党派政党や非民選の議会上院が不敬罪改正に強く反発している上、民主派各党も改正に及び腰で、不敬罪の改正廃止は困難とみられている。