タイの山間部で「詐欺被害防止」啓発、収集した児童の個人情報を詐欺利用

【タイ】タイ警察オンライン詐欺対策センター(ACSC)と同中央捜査局(CIB)は2月24日、学校活動を装って児童の個人情報を不正に収集し、詐欺に使用する携帯電話番号に名義登録して第三者に流通させていた男女3人を逮捕した。

 捜査の開始は、2025年12月にオンライン詐欺の被害届が相次いで寄せられたことがきっかけ。犯罪に利用された複数の電話番号を調べたところ、利用者登録が15歳以下の児童名義で行われていたことが判明した。登録先はいずれもチェンマイ県メーアイ郡の山間部にある学校周辺だった。

 警察は2月24日、北部チェンマイ県、チェンラーイ県、中部サムット・プラーカーン県、プラジュアップ・キーリーカン県の4県内8カ所を捜索して3人を逮捕。携帯電話用SIMカード2160枚、携帯電話2台、代理店契約書類、SIM販売用の広告資料などを押収した。

 これまでの調べによると、逮捕された3人は大手通信会社の関係者を装い、国境に近い山岳地帯の学校を中心に訪問。「詐欺被害防止の啓発活動」や「学習用インターネットの無料提供」を名目に児童を集め、身分証の撮影や顔認証を複数回行っていた。こうして取得した個人情報を使ってSIMカードを登録し、詐欺グループに転売していたとみられる。

 実際に登録名義とされた児童に警察が確認したところ、いずれも「自分で電話番号を登録した覚えはない」と証言しており、知らないうちに詐欺事件の関係者として扱われる危険性があった。被害総額は30万バーツを超えるケースも確認されていた。

 警察は、交通の便が悪く外部からの監視が届きにくい地域や、経験の浅い子どもたちが「無料配布」に惹かれやすい点を悪用した計画的犯行とみている。3人はいずれも容疑を否認しているという。

写真:Police TV

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