凍結資産の生活費・債務への使用容認 タイ政府が閣議承認

【タイ】タイ政府は1月20日の閣議で、テロ資金供与や大量破壊兵器拡散への関与が疑われ、取引停止措置が取られた資産について、指定対象者の最低限の生活費や債務の支払いに充てることを認める案を原則承認した。資金洗浄取締委員会(AMLO)の提案に基づくもので、今後は法制委員会での審査を経て、法務省や行政改革委員会の意見を踏まえた上で手続きを進める。

 シリポン・アンカサクンキアット政府報道官によると、対象となるのはテロ資金供与防止・大量破壊兵器拡散防止法に基づき、関与が疑われるとして指定された「指定対象者」の資産。同法は、国際的なマネーロンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)の基準に沿って、指定対象者の資産凍結や取引制限を通じてテロ行為に使われる資金源を遮断することを目的に制定・施行された。凍結資産へのアクセスや指定対象者との取引は原則として、所管機関の許可が必要とされてきた。

 一方、FATF(金融活動作業部会)とAPG(アジア太平洋マネーロンダリング対策グループ)による2017年公表の「相互審査報告書(Mutual Evaluation Report)」では、タイでは凍結資産から生活に必要な基本的支出を認める規定が明確でないことや、民事裁判所の許可を要する手続きが複雑で費用負担が大きい点が、国際基準と整合していないとの指摘がなされていた。AMLOはこのため、法改正によって生活に不可欠な支出の範囲を明確化するとともに、指定対象者への債務返済や、指定対象者が保有する凍結資産からの債権回収を認める手続きの見直しを進めてきた。

 今回の案はこうした改正を具体化するもので、凍結資産を生活必需費や債務の支払いに充てる際の基準や方法および条件を定め、法務省の省令として発令する。

シリポン政府報道官 写真:タイ首相府

関連記事

トピック

ページ上部へ戻る