【タイ】ピパット・ラチャキットプラカン副首相兼運輸相が、タイ東部経済回廊政策委員会(EECPC)を来月初めに開き、3空港高速鉄道計画に関する最終的な提言をまとめ、閣議に提出する方針を示した。「出来高払い方式」が依然として懸念材料となっており、「検察庁が財政規律を損なう恐れがあると指摘している」と説明している。
高速鉄道はバンコク首都圏のスワンナプーム、ドーンムアン、東部ウタパオの3空港を結び、東部経済回廊(EEV)開発計画の中核を担う。タイ現政権は次期政権に事業を引き継ぐ前に、運営の枠組みを明確にするとしている。EECPCは検察庁からの指摘を踏まえ、共同投資契約の修正を検討し、適法性を確保する見通し。合意が得られ次第、閣議で最終判断が下される。
EECPCは事業推進の障害を取り除くためのデータ収集と解決策の検討を進めているとされる。「ウタパオ航空都市」周辺の投資環境を整備するため、官民連携(PPP)による大規模スポーツ複合施設の建設を提案する意向を示した。敷地は1500ライ(1ライ=1600平米)を超え、国際大会の開催や医療拠点としての機能を備え、選手宿舎なども整える計画だという。
ピパット副首相は先月、3空港を結ぶ高速鉄道計画をめぐって出来高払い方式に改める契約修正案に反対する姿勢を示し、それが大きく報じられると「反対していない」と前言を撤回。「国益を損ねるか否かを心配しているだけ」と釈明していたが、今回は検察庁からの指摘を理由に再検討の必要性を訴えた。
●タイ高速鉄道契約の修正に不透明感 運輸相が「出来高払い方式」に反対
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