タイ東部ウタパオ空港開発、投資呼び込みへ来月にも説明開始

【タイ】ウタパオ国際航空社(UTA)は、ウタパオ空港と東部航空都市開発事業に関するコンセッション契約の実施期限を来月まで延長し、投資優遇措置などの詳細を詰める方針を明らかにした。キーリー・カーンジャナパート取締役会会長が語った。

 UTAは5年以上前に同事業の契約を締結したものの、いまだに事業用地の全面的な引き渡しを受けていない。背景には関連インフラ整備の遅れがあり、スワンナプーム、ドーンムアン、ウタパオの3港を結ぶ高速鉄道計画の停滞が大きな原因だという。

 キーリー会長は、契約相手である東部経済回廊事務局(EECO)と緊密に連携し、ウタパオ空港を地域成長の推進役と位置づけて開発を進める姿勢を強調した。それと同時に、関連インフラ開発が遅れていることが事業全体の足かせになっているとも認めた。

 EECOはこうした問題を解決するため、当初6月としていたコンセッション契約の実施期限を12月まで延長するよう求め、UTAも新たな覚書を締結。特に自由貿易区内での税制優遇など投資インセンティブの最終調整に時間を充てることになった。

 キーリー会長も、世界経済の停滞と投資家の慎重姿勢を踏まえ、「投資優遇策が最大の焦点になっている」と指摘。タイの優遇制度は周辺国に比べ見劣りする面もあるとしつつ、投資家の信頼を高めるために明確で競争力のある条件を政府に求めた。12月までに明確な工程表を示し、その後にインフラ整備を開始、国内外の投資家に向けて航空都市プロジェクトを本格的に開放する計画だという。「税率や自由貿易区の枠組み、そのほかの優遇措置が固まれば、投資家向けの説明会を開始する」と述べ、る一方、「EECを支援しているものの、現状では投資家を引きつける決め手に欠ける」とも苦言を呈した。

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Eastern Airport City:ウタパオ・インターナショナル・アビエーション(UTA)ホームページより

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