【タイ】タイ警察は2月18日から24日にかけて、全国規模で外国人の不法入国や不法就労を一斉に取り締まり、計9532人を逮捕したと発表した。ほとんどがミャンマーからの不法入国だった。
国籍による逮捕者の内訳は、ミャンマー国籍4879人、ラオス国籍1699人、カンボジア国籍1376人、ベトナム国籍103人、タイ国籍564人、その他国籍911人。タイ人逮捕は外国人との犯罪共謀や外国人拉致の容疑と思われる。
容疑の内訳は、不法入国6239人、不法滞在875人、不法就労463人、逮捕状発行による逮捕執行207人、各種許可取り消し120人、その他1628人。
不法入国や不法就労以外でも、最近問題となっている国境周辺の犯罪拠点への関与、薬物所持、手りゅう弾所持などの容疑での逮捕もあった。台湾当局から5件の容疑で逮捕状が発行されていた台湾人も逮捕された。
ほか、特殊詐欺のコールセンターで犯罪を強いられていたフィリピン人2人の保護もあったという。東北部スリン県では、国境周辺で拉致されてピックアップトラックの荷台に乗せられた中国人6人のうち1人が隙を見て飛び降り、警察に駆け込んだという。
一連の外国人取り締まりは、ミャンマー、ラオス、カンボジアとの国境周辺で明らかになった犯罪拠点の存在や、北部メーホーンソーン県パーイ郡の長期滞在の外国人(イスラエル人)と地元住民との不和やトラブルの発生などを受けたもの。外国人に関する苦情や情報の過去に遡った洗い出しを含め、ティラット・パンペット・タイ警察長官自らが全国の警察署に対し、厳密な取り締まりを指示している。