【タイ】ナルモン・ピンヨーンシンワット農業・協同組合相は11月25日、コメ農家への386億バーツ(1700億円)規模の給付を明らかにした。生産量の引き上げを目指す支援策で、今週29日に北部チェンマイ県で開かれる移動閣議に提出される。今回の支援策は、耕作面積1ライ(1600平米)当たり1000バーツ、1世帯当たり10ライまでの給付で、およそ468万世帯が対象となる。
コメ農家への支援は、インラック政権時にコメ買い取り制度として実施され、公金が注入された農作物は輸出できないというWTO(世界貿易機構)の規則に抵触するなどして、国内の倉庫に大量のコメを眠らせることとなり、コメ輸出国トップの座から転げ落ちた。インラック元首相が有罪を受けたのも、コメ買い取り制度がきっかけで、2017年8月に国外に逃亡したまま、現在も帰国できていない。今回、ペートーンターン政権で再び、生産量の引き上げという名目でコメ農家への支援が実施されることとなった。
タイのコメ輸出量はインドに次ぐ世界第2位で、農業・協同組合省によると今年は通年で900万トン以上、2200億バーツ相当の輸出が見込まれている。