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〈タイ業界事情〉業務管理システムとAGVを使用した自動倉庫管理との連動について BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
- 2024/8/5
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難波 孝次 氏 Managing Director
業務管理システムとAGVを使用した自動倉庫管理との連動について
今回のお話はどういった内容かと言いますと、以前にAGVを使用した自動倉庫管理におけるAI機能の活用方法についてを説明させていただいたことがありますが、その後お客様からその内容についてのお問い合わせを何度かいただきまして、それであれば改めてその詳細特に業務管理システムとAGVとをどのように連動させるのかについて説明させていただければと考えた次第です。ということで今回はAI機能とはそれほど関係のない内容になるのではと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実はそうでもなくそもそもAGVを使用した自動倉庫というのは昔からのクレーンやコンベアを組み合わせた大掛かりな仕組みのそれとは費用面において大きく異なっておりまして、以前にも少し説明させていただきましたがAGVというのは既存の倉庫をそのまま自動倉庫に変身させることが出来る魔法の杖でありまして、そのことが可能になるのも昨今のAI機能の発達に支えられているものであります。
AGVという聞き慣れない呼称ですと何だかイメージが湧かずにそれはいったい何者なのかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、基本的な仕組みはレストランでよくみられる配膳ロボットと同じく、A地点からB地点まで障害物を避けながら物を運ぶ機械でありまして、ただその運ぶものが製品を載せたパレットであったり材料の荷袋であったりという違いがあるだけです。それでそのAGVをどのように使いこなせばより効率の良い倉庫管理がおこなえるのかということで、今回は実際の業務の流れに沿いまして、業務管理システムとAGVとの間に具体的にどのようなデータ連携がおこなわれるのかを説明させていただければと考えております。
1、材料品目の入荷処理
ここの処理は業務管理システム内だけで完結してしまい、まだ自動倉庫管理とは関係ないのですが、先ずはモノが入荷されるところから説明させていただかないと話が始まりませんので、それで基本的に業務管理システムではバーコード(QRコード含む)管理がおこなわれているものとします。以前にも何度か説明させていただいておりますが、材料品目が入荷された際にはその品目に貼られたラベルを読み込み(QRコードがあればベストですが無くともOCR機器等で対応)品目情報を取得します。それで同情報とシステムから出力された入荷予定表のQRコードから取得した情報とを照合させ、合致していればシステム内に品目の入荷情報が取り込まれるという仕組みです。
2、材料品のパレット積み込み及び材料倉庫への収納
この処理からいよいよAGVとのデータのやり取りが始まりまして、前項にて受入処理がおこなわれた材料品目を倉庫に格納する処理となります。図ですと受入品を自社パレットに積み直してパレットに貼られたQRコードを読み込む形となっておりますが、これはパレットで受け入れてそれをそのまま倉庫に格納する形でも問題無く、またパレットを使用しない形でも運用は可能となります。ただ何れの品目を格納するのかをシステムに知らしめる必要はありますので、よくあるシステムのオペレーションとしましては前項で入庫処理がおこなわれた後に同画面内の格納ボタンが押されると、業務管理システム側で該当の品目を倉庫の空きロケーションに格納すべくAGVに移動指令を出すという形となります。この時品目によって格納場所が決められてるケースであるとか同じ倉庫内でも取り出しが行いやすい場所等の様々な縛りはあるかと思いますので、あらかじめ倉庫内のロケーションと品目との関連付けや各ロケーション毎の優先順位等をマスター登録しておき対応をおこなう形が一般的であります。
3、作業指示書を元に使用材料をピッキング
この処理は前項にて倉庫に格納された材料を生産作業に使用すべく、倉庫から生産ラインに移動させる処理となります。図では先ず作業指示書を読み込み必要材料を移動させる形としておりますが、これは材料のピッキングリスト及び使用予定表といったものでも問題はございません。それで移動させる材料品目が判明すれば同品目が何れのロケーションに格納されているのかについてはシステム側で全て把握しておりますので、移動指令自体は単純な処理ではあるのですがただ同一品目が複数のロケーションに分かれて格納されているケースはあるかとは思いますので、その場合は入荷日の古いものから移動といった先入先出の処理やまた同一品目同一入荷日のロケーションが複数あった場合には目的地に近いものから移動をおこなうといった判断がシステム内でおこなわれます。
4、完成品のパレット積み込み及び製品倉庫への収納
この処理は完成品の倉庫格納ということで、基本的な処理の流れは第2項の受入材料の格納と同じではありまして、生産実績管理システムより製作品の最終工程が終了しますと完成品に対するラベルが出力されますので、同ラベルと積み込みをおこなうパレットのラベルとを読み込み(この場合もパレットが無くても問題はありません)ます。そして取得した製品情報を元に格納ロケーションに製品を移動すべくAGVに指令を出すという形となりまして、この時もロケーション毎に登録された各種の関連情報に従いロケーションの決定がおこなわれれます。
5、完成品の出荷処理
この出荷処理についても基本は第3項の材料を移動させる処理と同様となりまして、出荷ですので先ずは業務管理システムから出力された出荷指示レポートのQRコードを読み込むことにより、該当する出荷品目が格納されているロケーションから出荷場所までAGVを走らせるという形となります。また出荷の際にロット番号が指定されるケースがあれば同情報を元にして、あとは同一情報の製品が複数ロケーションに分かれている場合は出荷場所に近いものから出荷をおこなっていくという流れとなります。
6、倉庫内のモニタリング機能
基本的な業務の流れとしましては、上記のような形で材料及び製品の入荷から出荷までを業務管理システムのデータと連携をとりながらシステムサーバー側よりAGVに指令を出すことにより自動倉庫管理を実現する形となります。それで自動倉庫ですので、どこに何があるのかについてはオペレーターさん側では特に把握しておく必要はない訳ですが、ただそうは言いましても何かイレギュラーな状況が発生した場合にそういった詳細情報がリアルタイムで分かればそれに越したことはなく、そこで倉庫内のロケーション単位でどういった品目がどこにどれだけ収納されているのかをモニタリング出来る機能がこちらとなります。図のような形でロケーションを選択すれば該当ロケーションに収納されている品目の詳細情報が表示され、また検索をおこないたい品目やロット番号を指定することにより、同指定内容が収納されているロケーションが色変わりで検索できるという機能もあります。
7、手動選択によるAGVへの移動指示
この機能の仕様用途は前項でも少し説明させていただいておりますように、いくら自動倉庫とは言ってもイレギュラーな状況が発生した場合、例えば計画外の緊急オーダーが入ったり特定のロット番号の製品を再検査しないといけないといった状況になった場合に、業務の流れとは別にオペレーターさんが手動でAGVを移動させる為のものとなっております。画面上のデザインは前項のモニタリング機能と同様に倉庫内の各ロケーションが表示され、移動元と移動先を選択(入庫場所や出庫場所も選択可)することによりAGVに任意の動作をさせるという機能です。
ということで今回は今までと少し趣を変えましてAGVと業務管理システムとのデータ連携についての説明をさせていただきました。最初にも書かせていただきましたようにこのAGVを使用した自動倉庫管理については、今までの自動倉庫システムと異なり比較的簡単に導入がおこなえる(もちろん倉庫の形態に拠っては棚部分を作り変えたりとかAGVの進路を確保したりといった若干のカスタマイズは必要にはなってくるのですが、基本的な部分はそのままで自動倉庫化がおこなえます)ということで、昨今ではかなり需要が増えているシステムでございます。特にこのタイの地では業務管理の問題点として一番に挙げられるのが在庫品の管理が上手くおこなえないという点で、具体的には管理上の在庫と物理的な在庫の数字が合わないとか、何がどこにあるのかが把握できない等々で、それでいて会計監査時にもっともチェックされるのこの在庫金額についてということで頭を悩まされることが多いかと思います。そこでAGVを導入することにより物理的な在庫の動きをシステム的に把握することによって、管理上の論理在庫との齟齬を根本的な部分から無くしてしまうことが出来るというメリットはかなり大きいのではないでしょうか。
BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
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