フン・セン前カンボジア首相、タクシン元タイ首相宅で昼食 30年来の友人
- 2024/2/21
- タイ政治
【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、カンボジアのフン・セン前首相(72、首相在任1998〜2023年)が21日、プライベートジェットで日帰りでタイを訪問し、バンコク都内のタクシン元タイ首相(74、首相在任2001〜2006年)宅で、タクシン氏、タクシン氏の次女でタイの最大与党プアタイ党々首のペートーンターン氏(37)らと昼食をともにした。
タクシン氏が今月18日の仮釈放後に外国の要人と会うのはフン・セン氏が初めて。
フン・セン氏によると、両者は1992年に知り合い、良好な関係を築いてきた。タクシン氏は2006年のクーデターで失脚して事実上国外亡命した後も、度々カンボジアを訪れ、フン・セン氏と会談していた。
カンボジアでは昨年、フン・セン氏の長男のフン・マネット氏がフン・セン氏から首相を引き継いだ。フン・セン氏がタクシン宅を訪問した21日には、三男のフン・マニ氏が副首相に就任した。
〈タクシン・チナワット〉1949年、タイ北部チェンマイ生まれの客家系華人。中国名は丘達新。警察士官学校を卒業後、米国に国費留学し、刑法学博士号を取得。帰国後、警察に勤務するかたわら、官公庁へのコンピュータリース、不動産開発などを手がけ、1987年に警察中佐で退職。その後、携帯電話サービス、通信衛星などを展開するタイ通信最大手チン・グループを育て上げた。1998年に政党を設立。地方、貧困層へのばらまき政策を掲げ、2001年の下院総選挙で大勝し首相。2005年の総選挙も圧勝、首相に再選された。王党派との対立が深まり、2006年9月の軍事クーデターで失脚し、事実上の国外亡命生活に入った。2023年5月の総選挙後、王党派とタクシン派が連立を組むことで合意し、タクシン氏は同8月、15年ぶりに帰国。裁判所で権力乱用などで禁錮8年を宣告されたが、健康問題を理由に警察病院に身柄が移送された。2024年2月18日、仮釈放され、警察病院からバンコク都内の自宅に帰宅した。米経済誌フォーブスがまとめた2023年版のタイ長者番付で、タクシン氏は資産総額約21億ドルで13位だった。