住友重機械工業、バンコク病院から陽子線治療システムを受注

【タイ】住友重機械工業は、タイ最大の民間病院運営企業「バンコク・ドゥシット・メディカル・サービス(BDMS)」から、バンコク病院本院内「ワタノソットがん病院」向けの次世代型の陽子線治療システムを受注した。東南アジアの医療機関で同社のシステムが導入されるのは初めてとなる。

 同社によると、新システムはバンコクに新設される「陽子線治療センター(仮称)」に設置され、2029年から治療開始を予定している。ワタノソットがん病院は2005年に設立された専門施設で、各分野の専門医が高度な診断機器を用いて包括的ながん治療を行っている。

 住友重機械はこれまで国内外で陽子線治療装置を手がけてきたが、東南アジアでの受注は今回が初めて。背景には、同地域で高精度ながん治療への需要が高まっていることがある。同社システムは、1基の加速器を複数の治療室で共有できる設計で、360度回転ガントリーや高精度画像診断装置を備える。従来機よりも設置スペースを抑えつつ、肺や肝臓など動く臓器にも対応できる短時間照射を可能にするのが特徴。

 住友重機械は「健康で長生きできる社会の実現に貢献する」としており、今回の導入をきっかけに、東南アジアをはじめとする海外でのがん治療分野への展開をさらに進める方針だという。

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