【タイ】タイ電子取引開発庁(ETDA)によると、2025年1月〜8月のオンライン関連被害の通報・報告件数が、前年同期比20%増の2万7332件となった。AI技術の悪用やオンラインプラットフォームの普及によって犯罪の手口が巧妙化し、現代社会の新たな脅威となっている。
消費者からの通報・報告件数は、2023年が4万5181件、2024年が3万5358件で、一時は減少傾向にあったが、今年に入って再び増加に転じた。最も多かった被害は、オンラインショッピング関連で1万件超。以下、違法サイト関連、不審事案、個人情報保護関連、不当な商慣行などと続く。
不審事案や不当な商慣行の主な内容としては、AIによるディープフェイクを使ったなりすまし、虚偽の投資プラットフォーム、偽の求人情報、前払い金を要求する詐欺的な融資などが挙げられる。ただ、ETDAは関連機関との連携によってほとんどの問題を解決済みとし、「今年の通報件数の98%に当たる2万6794件を解決し、消費者の満足度は95%に達している」と強調した。
今後も幅広く監視していく必要があるとし、ETDAは「デジタル・プラットフォーム・サービス(DPS)法」に基づく規制を強化していく。警察、商務省、フェイスブックやTikTokなどの主要プラットフォームとの連携体制の構築に加え、ユーザー認証の指針、広告や商品掲載の基準、レビュー投稿のルール、オンラインマーケットや配車サービスに関する新たな規制の整備を進めている。