【タイ】チャルームチャイ・シーオーン天然資源環境省は11月18日、前日17日に南部クラビー県の海でジュゴンが死亡しているのが発見されたことを受け、アンダマン海のタイ海域で急増するジュゴンの死亡に、早急な対策を講じるよう指示したと明らかにした。クラビー県の沖合では今月8日にジュゴンの死体が見つかったばかりで、10月はプーケット県、クラビー県、トラン県、サトゥーン県で8頭の死亡が確認されていた。
ジュゴンの死亡は、食料となる海草が急減していることが主な原因とされる。特にトラン県のチャオマイ・ビーチからリボン島の沖合は、ジュゴンにとって十分な海草を備えた海域が、今年は昨年の半分にまで狭まっているという。
海洋専門家で知られるトーン・タムローンナーワーサワット氏は、過去2年間で計72頭のジュゴンが死亡したことを明らかにし、原因はやはりトラン、クラビー、サトゥーン各県沿岸の海草の減少が理由と話している。タイにおけるジュゴンの死亡率は、7年前の月当たり1頭から今年は同3.75頭に跳ね上がっており、「アンダマン海のジュゴンは今後4、5年で完全に姿を消す」と警告している。