【タイ】分離独立を掲げたテロが続くタイ深南部ナラーティワート県ルーソ郡ルーソ町(タンボン・ルーソ)で11月6日、ウィチェート・タイトーンヌン町長が武装集団に銃で撃たれて死亡した。自らが経営する縫製工場の会議室にいたところを襲われたという。
タイの各メディアの報道によると、犯人はバイク2台に分乗した黒づくめの4人組で、ウィチェート町長を襲撃した後、すぐに逃走した。室内の防犯カメラにはイスラム女性のような黒い服で身を包み、小銃の銃口を出して歩く犯人の姿が写っていた。マレー系分離独立派組織メンバーと見られる。
タイ深南部と呼ばれるパタニー、ヤラー、ナラーティワートの3県と隣接するソンクラー県の一部では以前より、分離独立を大義名分とするテロが続いている。マレーシア国境という土地柄、ムスリムが住民のほとんどを占めるため、一連のテロも「イスラムテロ」と報道されるが、宗教的な争いはない。本質は単純な利権争いと見られる。80~90年代は沈静化していたが、タクシン政権の2004年1月より再び激化、現在に至っている。