日系企業に本社かたり送金指示 在タイ日本大使館が注意喚起
- 2024/6/16
- タイ社会
【タイ】在タイ日本大使館は13日、タイの日系企業に本社代表者を名乗る者から多額の送金を指示するなど不審な内容の電話があったとの相談があったとして、日系企業に注意を呼びかけた。
日本本社代表者を名乗り、「水面下で企業買収の交渉を弁護士と進めている」、「以前にも企業買収を行ったが、外部に漏れ破談に終わった」、「今回は収益性アップのため必ず買収を成功させなければならない」、「他のグループ会社数社にも出資を依頼しているが、短期的資金が少し足りない」などといった説明の後に、送金指示があったという。代表者を名乗る者の声が本人と酷似していたほか、本社代表番号での入電、代表者本人の出張スケジュールを把握、さらには応対した担当者の求めに応じて代表者本人のメールアドレスからメールも直ちに送られてきたことなどから、担当者が送金手続きを開始した。しかし、担当者が不安に感じて本社代表連絡先に確認したところ、実際の代表者が指示をした事実はないことが判明し、直ちに送金を差し止めたため実害には至らなかった。
大使館は、最近では、AI(人工知能)を活用したソフトを使用して偽の音声を作成して特定の人物になりすましたり、電話番号についても、アプリを使用して本社の電話番号など実際の発信元とは違う番号を相手方に表示させることが技術的に可能であると言われているとして、心当たりのない電話やメール、手紙などを受け取った場合には、本社の関係部署などに必ず確認するなど、詐欺の可能性も疑って対応するよう呼びかけた。