【タイ】国家稲作政策管理委員会は8月13日、全国のコメ農家約460万世帯を対象とした、総額440億バーツ(2000億円相当)規模の支援予算を承認した。2025年の裏作および2025〜2026年の表作に対して実施され、1ライ(1600平米)当たり1000バーツ、1世帯当たり最大10ライまでが対象となるもよう。
同委員長を務めるピチャイ・ジュンハワーチラ副首相兼財務相が明らかにした。支援額の内訳は、裏作向けに70億バーツ、表作向けに370億バーツとなる。財源は2026年度予算から充当される。各農家へは9月までに給付される見込み。
ピチャイ副首相は、昨今の世界的な景気減速がタイ経済にも影響を及ぼしていると説明。コメの輸出市場ではインドが輸出量を引き上げてシェアを拡大、国際価格も全体的に下落傾向にある。タイはさらに、大口顧客だったインドネシアへの輸出量を減らしており、輸出市場での競争力を低下させている。
タイ政府は2024年11月、生産量の引き上げを目指す支援策として、コメ農家への386億バーツ(1700億円相当)の給付を決定した。しかし今年に入り、タイは輸出市場での競争力を低下させて輸出量が減少。生産量を引き上げていたため在庫が余計だぶついた。生産者価格は現在、1ライあたり6000バーツだという。
ピチャイ副首相は、今後は需要に応じた品種転換や作付面積の縮小などを進め、10年以内にコメ価格支援を廃止したいとも述べた。