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タイで生産管理システム導入のコツ③ どのモジュールから導入するか?
- 2023/1/24
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前回2回でお話しさせて頂いたように初めて生産管理システムを導入する場合できるだけシンプルな構成をお勧めしました。では具体的にはどういう順で導入ていけば良いのか? また業種によって導入すべきパッケージ自体が変わる場合がありますのでそんなお話も書かせて頂きます。
1.最初に導入するモジュールは?
2.次に導入べきモジュールは?
3.業種による違い
1.最初に導入するモジュールは?
これに関しては間違いなく在庫管理だと思います。私は製造業の管理の基本は在庫だと考えています。在庫管理を実現するには次の機能が必要です。
【在庫管理】
受発注業務
生産計画
購買業務
生産指示
生産実績
出荷業務
これらの機能に遅滞なく正確な情報を入力することで生産状況をリアルタイムに把握したり、自動発注を実現することが出来ます。しかしながら自動発注はなかなか高いハードルです。タイで高い在庫精度が必要な自動発注を実現した企業は生産管理システム導入企業の3割前後ではないでしょうか?
在庫精度が上がらない理由としては即時かつ確実な入力が出来ていない事がほとんどです。例えば会計システムを導入した場合、その利用者(経理部門)は即自分の仕事に役立つので正しく入力されます。しかし生産管理システムの直接的な受益者は経営者であったり発注部門であったりするので、既存の業務に付加して多くの入力を押し付けられたようにも思える各現場のモチベーションが低くなりがちで入力が滞ったり、忘れたりという事が起こるのです。
そこで工夫と努力重ねて確実な入力を促すのですがそれは地道な作業です。その地道な作業で実現したシンプルなシステム(在庫)があってこそ次のモジュールや機能に進めます。さて余談ですが会計のシステムにも在庫管理があるものがあります。
会計システムの営業マンが製造業の在庫管理でもつかえますよと売り込みをかけてくる事もあるでしょう。
では生産管理システムの在庫管理と会計システムの在庫システムは何が違うのでしょう? 会計システムでは何が何個あって幾らか?という事が必要になります。生産管理システムではそれに加えてどこの客先へとか、どの製造指示の分といった紐づけが必要になります。会計では同じ部品が同じ単価で1000個あるのですが、生産管理ではA社分300個、B社分500個、安全在庫分200個分といった具合です。またBOM(構成表)のない会計システム(あっても1レベル)では部材の発注や引き落としも煩雑な処理となり、製品と中間品を別のBOMを用意する必要があるなど製造業で考える在庫管理とは大きく異なります。
2.次に導入べきモジュールは?
一般に製造業のパッケージソフトのオプションモジュールには次の物があります。
ロット管理
実際原価
品質管理
スケジューラー
この中で『ロット管理』と『実際原価』は在庫管理システムに付加される形になりますのでこの2つが次に導入するモジュール候補になります。但しこの2つのモジュールは入力が倍増しますので在庫管理の運用が精度高く充分浸透した後で導入されることをお勧めします。また『品質管理』と『スケジューラー』は単独での導入が可能な場合があります。
3.業種による違い
さて一般的に生産管理システムとして販売されているパッケージのほとんどが加工・組み立て業に適したシステムです。多くの部品を使用して1つの製品を作る集約型の生産に向いています。システムによっては原油や食肉といった1つの原材料から多くの製品を作る展開型をサポートしているものもあります。
また金型や一品物の管理は加工組み立て型とは大きく異なります。受注時に想定した原材料費用や各工程の加工時間などを管理してプロジェクト毎の利益を求める形です。それぞれに向いたシステムがあります。適用率の低いタイプで導入を進めると運用が煩雑になってしまったり期待した成果が得られない場合もありますのでご注意下さい。
次回タイで生産管理システム導入のコツは『在庫精度を向上させるには?』についてお話させて頂きます。
バックナンバー
タイで生産管理システム導入のコツ① 失敗しないための事前準備
タイで生産管理システム導入のコツ② 日本と同じ仕組みで良いですか?
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筆者:西本栄次
Material Automation(Thailand)Co.,Ltd.
SI4 Div Manager
日本での大型計算機販売の後
96年5月から在タイ
タイでは主に生産管理システムの販売・
サポートを中心に活動
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