【タイ】国際通貨基金(IMF)は2026年のタイの実質GDP成長率を2.1%と予測し、アセアン主要5カ国(ASEAN5)の中で最も低い伸び率になるとの見通しを示した。一方、タイ政府は外貨準備高の増加や外国直接投資(FDI)の拡大、強固な製造業基盤を同国経済の強みとして強調し、これらを雇用創出や所得向上につなげる考えを示している。
ラリダー・プルートウィワタナー政府副報道官は10月15日、「政府はIMFの低成長予測を認識しており、経済成長の加速が必要であると受け止めている」と説明。その一方で、「タイには安定した経済基盤があり、新たな成長機会の創出に活用できる」とした。
IMFの「対外部門報告書(External Sector Report 2026)」によると、2025年のタイの外貨準備高は2820億米ドルで、2024年の2370億米ドルから増加した。短期対外債務の2.6倍に相当し、10カ月分の輸入を賄える規模となっている。IMFは、タイの外貨準備高は十分性の目安を上回る水準にあり、世界経済の変動への耐性や経済の安定性に対する信頼を支える要因だと評価している。
また、タイ政府が提示した国連貿易開発会議(UNCTAD)の「世界投資報告2026」によると、2025年のタイへの外国直接投資は190億9800万米ドルとなり、2024年の146億5200万米ドルから30%増加した。政府は、「タイが依然として有力な投資先であることを示している」としている。
さらに、自動車産業を中心とした製造業基盤、部品供給網、輸出インフラが、電気自動車(EV)や先端技術産業など次世代産業への発展を支えると説明。こうした強みを生かし、タイ企業の事業機会拡大、雇用創出、国民所得の向上につなげたい考え。
政府は今後、国内での付加価値創出につながる投資を促進するとともに、中小企業の新産業サプライチェーンへの参入支援や人材育成を進める方針。また、事業活動上の障壁を減らし、投資の恩恵を幅広く国民に行き渡らせるとしている。


























