タイ王女40歳記念本刊行 伝統織物を現代市場につなぐ取り組み紹介

【タイ】内務省事務次官室は10月11日、シリワンナワリー・ナーリーラッタナラーチャカンヤー王女の40歳の誕生日を記念した写真集・記録集「ナーリーラッタナー・ハッタシン(Nariratana Hattasilp)」を刊行した。王女の公務活動を記録するとともに、タイの伝統織物や工芸技術を保存・継承しながら、現代的なデザインや持続可能な開発と結び付けるという王女の理念を紹介している。

 2026年の活動に加え、2019~2025年の公務や全国4地域での取り組みを収録。伝統技術の復興やタイ織物、現代工芸、文化遺産の活用事例も取り上げている。中心テーマは、機織り職人、工芸職人、事業者、地域社会が受け継いできた知識や技術を、現代の市場ニーズに応える商品へ発展させることにある。柄や配色の設計、生産技術の向上、ブランド構築、付加価値創出などを通じ、伝統産業の競争力強化を目指す。

 王女が推進する「Fun with Thai Fabrics(タイ織物を楽しもう)」も主要施策の一つとして紹介されている。タイ織物の普段使いを促進するもので、性別や年代を問わず幅広い場面で着用できる製品開発を奨励。職人や事業者に対しては、若い世代の消費者にも訴求する現代的なデザインの開発を呼びかけている。

 消費者の嗜好やファッション市場の変化に合わせた商品開発、独自性のあるブランドづくり、販路拡大を通じて、生産者や地域へ収益を還元することの重要性も強調。もう一つの柱である「サステナブル・ファッション」では、天然素材の活用、環境に配慮した生産方式の推進、伝統技術の再評価などを通じ、地域の知識や文化を現代社会の中で生かすことを目指している。

 タイ織物は儀式や特別な場面で着用する衣装にとどまらず、日常生活で利用できる商品に展開できるとし、地域の知恵の価値向上と収入拡大につなげる考えを示している。
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