タイ・エアアジアXが債務再編から脱却へ、来年は欧州路線を開設

【タイ】タイの格安航空(LCC)「タイ・エアアジアX」がタイのメディアに語ったところによると、同社は2026年半ばまでに債務再編手続きを完了し、10億バーツの増資を実施する計画だ。増資によって欧州路線の新設を目指す。

 同社はコロナ禍の2020年に債務超過に陥り、タイ中央破産裁判所に破産申請を行った。事業再生手続きに入った後、2023年頃に再建の道筋が見え始め、現時点で債務総額42億7000万バーツのうち70%の返済を終えている。

 同社は現在、エアバスA330型機を9機保有しており、11月には2機を追加。これにより、国際線10路線を11機体制で運航することになる。

 今年12月は、ドンムアン~仙台、アルマトイ(カザフスタン)、リヤド(サウジアラビア)の3路線に就航する。インバウンドおよびアウトバウンド双方の市場に新たな機会を提供する。

 日本は依然としてタイ人旅行者に人気の渡航先で、新規就航の仙台は同社にとって日本路線7番目の都市となる。仙台路線はタイからの唯一の直行便となり、今冬の繁忙期には搭乗率90%超を見込んでいる。競争激化の中でもネットワークの強みを活かし、東京に週21便、大阪に週17便という高頻度な運航体制を維持している。

 カザフスタン線の乗客も、相互ビザ免除措置により増加傾向にあるという。また、リヤドは新たな就航地として注目されており、観光とビジネスの両需要に対応していく。

 増資による事業拡張として、欧州2都市への就航を計画している。リヤドを戦略的ハブと位置づけ、欧州への接続拠点として活用。来年には直行便または「第5の自由権」を活用した経由便の形で、欧州路線を展開する見込みだという。これに合わせ、エアバスA330型機またはA321XLR型機の2機を追加で導入する。

バンコク・ドーンムアン空港のタイ・エアアジアX 写真:newsclip

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