自由に撮れない王室御座船パレード

「タイ王室御座船パレード」はリハーサルを含めて1999年、2007年、2012年に4回、撮影している。タイ海軍に取材を申請し、ワット・プラケオ&王宮の向かいの海軍基地から撮ったのだが、何とも厳正な行動を求められた。
2、3時間も前に到着する必要があるが、当時の基地前の道路は慢性的な渋滞で、浪費する時間はもっと長かった。スーツ着用が条件、普段着で入れない。一応、イスは用意してくれているが、撮影時は座っていられない。
雨が降っても逃げられない。機材には防水カバーを被せるが、撮り手はそのままの姿勢。スーツはずぶ濡れ、革靴はぐちゃぐちゃ。それでも平然な態度を装なければならない。一度、海軍のボート上で撮ったことがある。楽しかったのだが、日照りでバテた。
それでもまともな写真を撮れればよいのだが、それもまた難しい。国王が乗るメインの御座船のスパンナホンを、ワット・プラケオ&王宮の建物を背景に収めるのが理想だが、その手前の河岸にいろいろ車が停まっていたり壊れた金網が見えたりなど、はっきり言って邪魔。
邪魔なのだが、撮る場所が決められているので移動できず、まとまりの良い構図を求めるならレンズの方向をずらすしかない。そして、メインのスパンナホンを前後のほかの御座船がバランス悪く被せてくる。
取材で4回も撮っていたが、納得のいくカットはついぞ撮れなかった。
20121106

 

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