〈企業インタビュー〉システム開発・導入・運用保守 ACTY SYSTEM (THAILAND) CO., LTD.

塚本 裕司 氏 Managing Director

顧客が伝えきれないニーズの汲み取り パッケージを主体としたセミオーダーメイド
市場はアセアン全域 IT先進国インドに開発拠点

――御社概要をお聞かせください

 本社の株式会社アクティシステムは1996年設立。ものづくりの街として知られる静岡県浜松市でさまざまなメーカーさまに対して「ソフトウェア開発」「ハードウェア試作開発」「システム保守・運用支援」「技術者派遣」といった情報処理サービスを提供しています。

 グループとしての拠点は、浜松、東京、大阪、名古屋の日本国内4都市、海外は中国、インド、ミャンマー、そしてタイの4カ国です。特にインドは開発チームを構えていることから、ムンバイを本社として4都市に拠点を展開しています。

――タイ拠点について

 アクティシステムのタイ現法である弊社は2012年設立。インドおよび中国の進出が2003年、ミャンマーが2009年ですので、タイ拠点はいわば後発です。

 メーカーの進出に伴って数多くのIT開発企業が古くからタイに出てきていますが、弊社は長らく「海外はオフショア先」という考え方でした。そのため、インドでは本社設立2年後の1998年には、現地IT会社と開発委託契約の締結に至りました。

 オフショア事業の次が「海外市場開拓」です。弊社グループとしてタイが視野に入ってきたのが7、8年前。以前より当地でIT事業に携わっていた私が、アクティシステムにタイでの事業を提言。2010年より出向という形で営業活動を続け、2年後に現法設立となりました。

――やはりITといえばインドなのでしょうか?

 IT先進国といえばもちろん米国で、追随には相当の英語力が求められます。インドはIT事情を素早く的確に見極めて自らのビジネスに反映させることのできる英語力を備えています。

 タイからインドへの発注はコスト的なメリットを見出しにくいのですが、弊社グループの場合はインド拠点を「外注先」とみなしていますので、キャッチアンドリリースしながらのコスト調整が可能となっています。

 何より、グループにとって活躍すべき市場はタイとミャンマーの2国に限らずアセアン全域です。インドをブレインとしてアセアン全域にネットワークを構築するのが理想的という判断です。グループ従業員は300人ほどですが、そのうち180人ほどがインドです。

問題点は把握しているが改善方法が分からない

――今や多くのメーカーが何かしらのシステムを導入していると思いますが?

 どのお客様も経理システムは導入しています。その先、どのように業務を効率化させていくか、アドオンでどのようにシステムを構築していくか、で悩まれているようです。

 例えば、発注も在庫管理もPCを駆使しているようで実は手作業、システム化したいけど何が必要なのか分からない、といった問題です。ご自身のお仕事ですから「困っている点」や「改善したい点」は理解されています。ただ改善策が分からず、「それを汲み取って欲しい」というご相談を常にいただきます。当然、問題点や改善点はお客様によってさまざまです。

 フルスクラッチ、いわゆる一から作り込むオーダーメイドならきめ細かい対応ができますが、発注時にニーズを伝えきれないお客様は普通にいらっしゃいます。開発途中や完成間際で「当然あると思っていた」機能が抜け落ちていることに気付きます。「在庫管理システムなのに棚卸しができない」システムが出来上がるといった例がいくらでもあります。新たに組み込もうとすれば追加費用が発生し、「そんな予算はもうない」となってしまいます。

 スクラッチではなくパッケージなら必要とされる機能がある程度組み込まれていますので、完全に抜け落ちる心配はないでしょう。フレームワーク、いわゆるひな形で使い勝手を確認していただくことも可能です。ただそのパッケージが自社開発でなく代理販売の場合、カスタマイズや確認といったやり取りに時間がかかってしまいます。

――それに対する提案は?

 パッケージ主体とした「セミオーダーメイド」をご提案しています。パッケージを元に「業務はこうあるべき」と確認して漏れを予防すると同時に、細かいヒアリングでお客様固有の問題点を洗い出します。

 自社開発パッケージなので、お客様のニーズを聞いてただちに反映させることが可能。短期間で確認と修正を繰り返すいわゆるアジャイル式で進めていきます。豊富な事例によって蓄積されたノウハウを駆使し、要望を多く積まれても成し遂げるリソースを誇ります。フレームワークを採用しているので、スクラッチのように開発者によるブレもなく、統一感を維持しています。

 弊社の代表的な製品に、「THOMAS GLOBE」という販売・生産管理システムがあります。2012年のリリース後5年で60社強の導入に至るという、迅速なマーケットフィットを実現しました。

ジェネリックキャッチで効率的なシステムの提案

バーコードを利用したEDI発注システムの一例

――THOMAS GLOBEでどのような管理ができるのでしょうか?

 例えば、「発注しでも納入時期が未知」「過去の仕入実績が参照できず値下げの努力がなされているのか未知」「棚卸しなしで在庫を把握できない」「リアルタイムに管理できない」「納入の間違いでクレームが絶えない」「投資委員会(BOI)事業種別の決算書が作成できない」「『ストックカード』が必要と在庫管理担当から言われたが対応できない」といった問題に対応します。特に発注作業はシステム化されているようで実際は手書き、というのが多いようです。

 最近注目されているのが、バーコードを利用したEDI(電子データ交換)発注システムです。弊社ウェブサイトでもアクセス数が高めで、多くのお客様が気にしてくださっているシステムの一つだと判断しております。

タブレットを利用したシステムの一例

――顧客から学ぶ点が多いということですね。

 お客様のためのシステムですから、当然のことです。最近はタブレットを利用した業務管理の導入などもご提案しています。「LINEでやり取りした商品名をエクセルに転記して発注していた」というお客様がおりました。LINEは画像が添付できて「タイ人スタッフでも一目りょう然」ということでした。そのようなお客様のニーズに応えるべく、タブレットを取り入れたシステムのご提案に至りました。弊社もそれまで、画像を取り込むという発想はありませんでした。

 今後はAI(人工知能)の採用が進んでくるでしょう。同分野は特に、画像解析が進んでいます。AIが言語文字を読みこなせば、手書きの領収書をスキャンするだけで自動仕分けができるようになります。

 弊社はもちろん、そのような最先端を扱う企業ではありせん。こなれて使い勝手が向上し導入しやすくなったジェネリックをキャッチしていくことになります。弊社のインド開発チームはまさに、その辺りに敏感です。

 アクティとしては今後、ジェネリックを積極的に採用したより良いシステムをご提案してく所存です。

――ありがとうございました。

ACTY SYSTEM (THAILAND) CO., LTD.
住所:444 Olympia Thai Plaza Building 3rd fl.,Ratchadapisek Road, Samsennok, Huay, Kwang, Bangkok 10310
電話:0-2541-5955 Eメール:acty-thai-sales@acty-thai.com
ウェブサイト:www.thomasglobe.com, www.acty-sys.co.jp

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